2013年07月26日

ひらひら村の夕陽65

 5枚カードを並べて今の自分を引くと、ひまわりの咲いている丘の絵が出てきた。裕子はうなずいた。上村が横からのぞきこむ。
「きれいな花ですね。今の裕子さんですか?」
 茶化す感じはない。ただ、今裕子のおかれた状況とつながらない気がしたのだろうか。
「これはねえ、あいまいさをあらわすの」
 裕子は上村を見ずに、そのかわり自分に言い聞かせるようにひまわりの書いてある上を山を指差した。上村は首をかしげながらうなずいた。
「もっと先に山があるのに、途中の花畑立ち止まっちゃうってことですか?」
「そう。その通り、この山が、さっき上村さんが言ってた、どろんこになっても欲しいものを手にいれること。私やっぱり、ふまじめだったのかもしれない」
 裕子はカードを見ながらため息をついた。上村がよりそう。
「ふまじめって、言い過ぎたかもしれません。なんていうか、裕子さん自身にとってはそれが精一杯だったにしても、見方を変えればもっとやれることがあった。というのがほんとじゃないでしょうか」
 上村は遠慮がちに裕子を見た。裕子は小さくうなずいた。
 続いてカードをめくっていく。潜在的な影響で、アイランド。これは木が一本しか生えていない無人島の絵で孤独とか、独り立ちを表す。裕子はここでもため息をついて、苦笑いした。感覚のところではグリーンマン、これは相乗効果。相手のせいにしていても、自分も同じことをしている、という意味だった。考えの位置ではDNA、これは考え方のパターンから抜け出せない。
「ほんと、上村さんの言ったとおりだった」
 裕子はここで少し表情が明るくなった。それにあわせるように上村が言った。
「裕子さん。そこをうったんですよ」
 裕子は上村を見てうなずいた。
「いよいよ。結果にところね」
 裕子は独り言を言って、5枚目をめくった。ヴィジョンクェスト。冒険を表すカードだった。裕子はゆっくり顔をあげた。
「上村さん。私、今はじめて、カードをやっててよかったと思った。勇気をもらったよ。私、これから冒険の旅にでる」
 裕子のことばに、上村が不思議そうな顔をした。



Posted by ひらひらヒーラーズ at 06:41│Comments(0)
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