2011年02月02日

万葉集3

 ヌエを退治した利修仙人たちは三河にもどってきた。ヌエの死体を石巻山の中ふくに埋めると、京塚をたて封じた上で、本宮山頂に鏡岩をおいた。怪力の鬼たち3匹は岩の角度を何度も直して半年がすぎ、あくる年の夏至の朝、反射した光が石巻山の経塚にあたるようにした。
 ヌエは夜の化け物、日の光に弱いため、年に一度一番日に力が強くなる夏至に鏡岩から集められた光をあてられ復活を防ぐ。この時の光の帯を見た後の人々は石巻山と本宮山が背比べをしていると思ったという。
 このあと、利修仙人は神となり国をまもろうと、3匹の鬼の首をはねて鳳来寺山に埋めると自分も静かに命を終わらせた。
 
 この、利修仙人にヌエ退治を頼みに来るのが持上皇の旅の目的だった。持統と共にやってきた高市連黒人が三河の国一宮の宮司草砥鹿氏に頼み実際に山の神と話ができる草砥鹿姫が利修仙人を呼び出したのだ。
 仕事を終えた一行は、都へ帰るべく姫街道を東へと向かう。今の三明寺の坂を越えたあたりで草砥鹿姫と黒人の別れがあったと思われる。

 黒人が歌う

妹もわれも 一つなれかも 三河なる 二見の道ゆ 別れかねつる

 草砥鹿姫が返す

三河の二見の道ゆ 別れなば和が背も我も 一人かもゆかむ



Posted by ひらひらヒーラーズ at 11:45│Comments(0)
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