2011年05月20日
友引ツーリングくらぶ(宮路山)
康平と梨花は気分がすっきりしてきた。なんだかシャワーを浴びたあとのように体が軽い。二人は立ち上がって資料館の展示を見に行った。1mくらいあるような鬼瓦や太い丸柱が展示してあった。愛知県から大阪あたりまでの地図が貼ってある横に神輿に乗った女の人の絵があった。かなり古いのか、あちこちひびが入って色が変わっている。
「ああ。この人が持統天皇なんだ。もっち若い人かと思った」
康平が説明を見ながら言った。
「宮路山をこえて帰って行ったんだ。都からこちらへ向かうときは船だったんだ」
梨花が説明の続きを読んだ。
「梨花ちゃんって、横浜で、海のこと勉強するんだよね」
康平が梨花を見た。梨花は宙を見た。
「私たち、もうすぐ別々なんだよね。なんか、この前聞いた『二見の道』の歌みたい」
梨花の言葉を康平が引き取った。
「いももあれも ひとつなれかも みかわなる ふたみのみちゆ わかれかねつる」
「みかわなる ふたみのみちゆ わかれなば いもせもあれも ひとりかもゆかん」
梨花が返した。二人は自転車で姫街道を走った。宮道医院の看板が見えたところでどちらが言うともなく三明寺へ向かった。
三明寺にはしらみやと友引ツーリングくらぶのメンバーが鬼村がいた。
「いやあ。君たち。この前はお見舞いありがとう」
メンバーの一人鬼村が笑って頭を下げた。康平と梨花うなづいた。
「あのう。ぼくたち3日後くらいに、豊川を離れます」
康平が言った。
「そうか。二見の道の別れだねえ。ちょうどそのへんだよ。二見の道」
しらみやが本堂の前の地蔵がならんでいるあたりをさした。
二人はうなずいた。そして、梨花が目を見ひらいて康平、しらみや、鬼村と見た。
「石が、熱くなってきた」
梨花は青い石を出した。しらみやと、康平が手をのばした。梨花の体温だけとは思えないほど熱かった。
「たぶん。草砥鹿姫が寂しがっているんだね。これ、おれからの餞別だ」
しらみやはポケットから2枚のチケットを出した。豊橋市役所のラウンジにあるレストランのランチ券だった。
「ああ。この人が持統天皇なんだ。もっち若い人かと思った」
康平が説明を見ながら言った。
「宮路山をこえて帰って行ったんだ。都からこちらへ向かうときは船だったんだ」
梨花が説明の続きを読んだ。
「梨花ちゃんって、横浜で、海のこと勉強するんだよね」
康平が梨花を見た。梨花は宙を見た。
「私たち、もうすぐ別々なんだよね。なんか、この前聞いた『二見の道』の歌みたい」
梨花の言葉を康平が引き取った。
「いももあれも ひとつなれかも みかわなる ふたみのみちゆ わかれかねつる」
「みかわなる ふたみのみちゆ わかれなば いもせもあれも ひとりかもゆかん」
梨花が返した。二人は自転車で姫街道を走った。宮道医院の看板が見えたところでどちらが言うともなく三明寺へ向かった。
三明寺にはしらみやと友引ツーリングくらぶのメンバーが鬼村がいた。
「いやあ。君たち。この前はお見舞いありがとう」
メンバーの一人鬼村が笑って頭を下げた。康平と梨花うなづいた。
「あのう。ぼくたち3日後くらいに、豊川を離れます」
康平が言った。
「そうか。二見の道の別れだねえ。ちょうどそのへんだよ。二見の道」
しらみやが本堂の前の地蔵がならんでいるあたりをさした。
二人はうなずいた。そして、梨花が目を見ひらいて康平、しらみや、鬼村と見た。
「石が、熱くなってきた」
梨花は青い石を出した。しらみやと、康平が手をのばした。梨花の体温だけとは思えないほど熱かった。
「たぶん。草砥鹿姫が寂しがっているんだね。これ、おれからの餞別だ」
しらみやはポケットから2枚のチケットを出した。豊橋市役所のラウンジにあるレストランのランチ券だった。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 07:59│Comments(0)