2011年08月18日
現代へ続く海の道(仮題)2
「さっきね。かゆかったから袖をめくって見たんだよ。そしたら、こんなアザがあんの。おれ、子どものころからアトピーでもないし、肌は丈夫なんだけどな」
荒川は人なつっこい感じだった。白宮はなんだか親しみを感じて話し出す。
「私も、肌弱い方じゃないです。仕事がコピーのメンテナンスなんで、けっこうホコリっぽいところに行ったり、トナーが着いたりしますがが肌が荒れたことなんてありません」
白宮は言いながら仕事の名刺を出した。
「ああ。コピー機やさん。忙しそうだね。おれは、建築士。って言っても下請け。趣味で陶芸をやってる。荒川ってい言う。ごめん。名刺事務所に置いてきたから」
荒川は箸袋の裏に名前を書いた。それからにやりと笑った。
「俺たちさあ。もしかしたら、前世からすごい縁があったりしてな。アザ仲間だし」
白宮は中途半端に笑って、自分の名刺に携帯の番号を書き足した。荒川が携帯番号を書き足した箸袋を受け取って店を出た。食事前にいた学校の近くを通ると、何人かの子どもがゲームをしながら歩いていた。
学校から少し離れた裏通りに3階建てのアパートがある。1階はコンビニがあり、住人は横の狭い階段から上がっていく。白宮はメンテナンス道具の入ったカバンを持って駆け上がった。
「すみません。遅くなりました」
3階の一番おくの部屋でインターホンをおした。「占いの館 香姫」と看板が出ている。
「もう。遅い。どれだけ待ったと思うの」
ドアが開いて、夏だと言うのに黒のワンピースを着た女が顔を出した。部屋の中からひんやりとした風がふいた。
荒川は人なつっこい感じだった。白宮はなんだか親しみを感じて話し出す。
「私も、肌弱い方じゃないです。仕事がコピーのメンテナンスなんで、けっこうホコリっぽいところに行ったり、トナーが着いたりしますがが肌が荒れたことなんてありません」
白宮は言いながら仕事の名刺を出した。
「ああ。コピー機やさん。忙しそうだね。おれは、建築士。って言っても下請け。趣味で陶芸をやってる。荒川ってい言う。ごめん。名刺事務所に置いてきたから」
荒川は箸袋の裏に名前を書いた。それからにやりと笑った。
「俺たちさあ。もしかしたら、前世からすごい縁があったりしてな。アザ仲間だし」
白宮は中途半端に笑って、自分の名刺に携帯の番号を書き足した。荒川が携帯番号を書き足した箸袋を受け取って店を出た。食事前にいた学校の近くを通ると、何人かの子どもがゲームをしながら歩いていた。
学校から少し離れた裏通りに3階建てのアパートがある。1階はコンビニがあり、住人は横の狭い階段から上がっていく。白宮はメンテナンス道具の入ったカバンを持って駆け上がった。
「すみません。遅くなりました」
3階の一番おくの部屋でインターホンをおした。「占いの館 香姫」と看板が出ている。
「もう。遅い。どれだけ待ったと思うの」
ドアが開いて、夏だと言うのに黒のワンピースを着た女が顔を出した。部屋の中からひんやりとした風がふいた。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 09:19│Comments(0)