2012年02月17日
青い炎を灯せ28
夕方まで炊き出しを手伝った明江は東へと向かい、海竜寺の前に出た。このまままっすぐ進めばゆくゆく東大寺の建つあたりだろうか。21世紀にいたころ、取材で歩いたのを思い出した。南西に見える低い山が若草山だろう。春日大社が出来るのはこれから先だろう。南は薬師寺の塔が頭をのぞかせていてここだけ21世紀の面影を残していた。
「あ~あ。21世紀に帰りたい」
独り言を言った。急にいろいろなものがなつかしくなってきた。ビルが車が携帯電話が恋しい。街のさわがしさや車の排気ガスのにおいも忘れられない大切なものに思えてきた。そんな思いをだいたままで法華寺をとってかえし東院の前を通って清涼殿似帰った。日が暮れて、薬師寺でつく鐘の音が聞こえた。また切なさがこみ上げて来て、明江はふと長屋王を思いだした。
3日後の夜明け前、天皇はこっそり帰ってきた。
「あ~あ。21世紀に帰りたい」
独り言を言った。急にいろいろなものがなつかしくなってきた。ビルが車が携帯電話が恋しい。街のさわがしさや車の排気ガスのにおいも忘れられない大切なものに思えてきた。そんな思いをだいたままで法華寺をとってかえし東院の前を通って清涼殿似帰った。日が暮れて、薬師寺でつく鐘の音が聞こえた。また切なさがこみ上げて来て、明江はふと長屋王を思いだした。
3日後の夜明け前、天皇はこっそり帰ってきた。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 08:02│Comments(0)