2012年11月06日

み~んな化け物18

「あいつ。やっぱりどこかで見てるんだ」
 勇一が言って、三人であたりを見回した。
「これって、簡単なトリックだな」
 正夫はスティックを見ながら言った。いつも通り落ちついた口調だった。
「どういうことだよ」
 ぼくが聞いた。
「この店は信二ともよく来たよな。っていうことは、ここでぼくたちがアイスを食べることは想像がつくだろ。それを見越して細工したアイスをおいたんだ」
「でもさあ、いくらぼくたちがよく来るからって、そのアイスを和夫がとるとは限らないだろ」
 勇一が腕組みしながら正夫を見た。
「今回たまたま、和夫がとっただけで、むしろおれたち以外の誰かに取らせたかったんじゃないかな」
 正夫は相変わらず、スティックを見ていた。
「分からないことだらけだな。なあ、図書館のロビーにあるパソコンってインターネットできたよな。ちょっと行ってみないか」
 ぼくが言って三人で店を出ると祐子が入れ替わりに入ってきた。
「あれっ。祐子もここに来るのか」
 勇一が聞いた。
「わたし。時々来るよ。ここのアイス好きなんだ」
 祐子は笑って手を振った。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 17:54│Comments(0)
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