2012年11月20日
ひらひら村の夕陽4(仮題)
ビジネスホテルにチェックインすると、下の子は旅行気分ではしゃいでいる。大声をあがながら並んだベッドで飛び跳ねる。10才になる上の子は落ちつかない様子で裕子の横にたっていた。
「裕一郎。ごめんね。心配かけて。だけど、お母さん、我慢できなかったの。でもね、なんとかするから、ちゃんと高校も大学も出られるようにがんばるから」
裕子が抱きしめると、裕一郎は裕子を見あげて小さな声を出した。
「母さん。ぼく、母さんがうれしいのが一番いい。今まで無理してたよね」
裕子が抱きしめた腕に力を込めると裕一郎は「いたいよ」とつぶやきながら笑った。5才の大希も遊びに参加するように後ろから抱きついてきた。
その夜は、ベッドを2つつけて3人で眠った。
朝になると、二人の子どもを学校まで送って行った。
子どもの下校時間になると、校門まで迎えに行ってホテルまで2人を送り届けて仕事に行った。
4日目の夕方だった。校門で待っていても二人が出てこない。他の子どもたちは帰っていくので、授業は終わっているらしいのだが……。
5時近くになって、顔見知りの先生を見つけて聞くと担任を連れてきてくれた。
「裕一郎くんと、大希くんなら、お昼過ぎにお父様が迎えにきましたよ」
担任の言葉に裕子は青くなって携帯をとりだした。
「裕一郎。ごめんね。心配かけて。だけど、お母さん、我慢できなかったの。でもね、なんとかするから、ちゃんと高校も大学も出られるようにがんばるから」
裕子が抱きしめると、裕一郎は裕子を見あげて小さな声を出した。
「母さん。ぼく、母さんがうれしいのが一番いい。今まで無理してたよね」
裕子が抱きしめた腕に力を込めると裕一郎は「いたいよ」とつぶやきながら笑った。5才の大希も遊びに参加するように後ろから抱きついてきた。
その夜は、ベッドを2つつけて3人で眠った。
朝になると、二人の子どもを学校まで送って行った。
子どもの下校時間になると、校門まで迎えに行ってホテルまで2人を送り届けて仕事に行った。
4日目の夕方だった。校門で待っていても二人が出てこない。他の子どもたちは帰っていくので、授業は終わっているらしいのだが……。
5時近くになって、顔見知りの先生を見つけて聞くと担任を連れてきてくれた。
「裕一郎くんと、大希くんなら、お昼過ぎにお父様が迎えにきましたよ」
担任の言葉に裕子は青くなって携帯をとりだした。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 10:03│Comments(0)