2013年06月28日
ひらひら村の夕陽58
上村が帰っていくと、裕子はカウンターのイスにぼーっと座った。一人はさびしい反面ほっともできた。がんばっていなくても、ひっぱられるままに沈んでいっていい。カードを出してシャッフルする。途中なにかにひっかったように1枚が飛び出した。ジャンピングと言われ、そのカードにはメッセージがふくまれているとされる。
「ニュービギニングかあ」
裕子は手にして一人ごとを言った。朝日の中で大きな川がゆったり流れている。裕子のなかで不思議な思いがわいてくる。
「また、はじまっていくんだ。新しく」
ポツリと言ったところで、携帯が鳴った。最初に裕子がカードを使ってみた若い女だった。彼女の母親に事件に巻き込まれていったのを思い出す。女は裕子の都合も聞かず話し出した。
「ねえ、裕子さん。助けて。彼がけんかしてるの。止められない、わたしじゃあ」
女は泣き声を出しているが、裕子も助けにいく気力はない。
「ごめん。警察を呼んで。私そんな元気ないの」
裕子はそれだけ言った。
「そんなこと言わないでよ。誰かあ。もう、死んじゃう。お願い、来てよ。***町のバス停の前なの」
女が言った住所は裕子が前にいた家のすぐ近くだった。さっきまで行っていた街だ。裕子の胸がどきりとした。
「ちょっと待って。行くから。すぐ行くから」
裕子は背中を押されるように店を出た。
「ニュービギニングかあ」
裕子は手にして一人ごとを言った。朝日の中で大きな川がゆったり流れている。裕子のなかで不思議な思いがわいてくる。
「また、はじまっていくんだ。新しく」
ポツリと言ったところで、携帯が鳴った。最初に裕子がカードを使ってみた若い女だった。彼女の母親に事件に巻き込まれていったのを思い出す。女は裕子の都合も聞かず話し出した。
「ねえ、裕子さん。助けて。彼がけんかしてるの。止められない、わたしじゃあ」
女は泣き声を出しているが、裕子も助けにいく気力はない。
「ごめん。警察を呼んで。私そんな元気ないの」
裕子はそれだけ言った。
「そんなこと言わないでよ。誰かあ。もう、死んじゃう。お願い、来てよ。***町のバス停の前なの」
女が言った住所は裕子が前にいた家のすぐ近くだった。さっきまで行っていた街だ。裕子の胸がどきりとした。
「ちょっと待って。行くから。すぐ行くから」
裕子は背中を押されるように店を出た。
Posted by ひらひらヒーラーズ at
09:38
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