2011年03月08日

友引ツーリングクラブ8(鬼の生まれ変わり?)

 次の日康平は図書館に行った。4月からはこの土地を離れることになる。少しは地元のことを調べてみようかと思ったのだ。
 郷土資料のコーナーにいると、ボロボロの服をきた男が現れた。それだけでも近づきたくないのに、ときどき大きなくしゃみをしている。
「おい。そこの兄ちゃん。ティッシュもってないか?」 
 康平はいきなり呼び止められた。康平がポケットティッシュを差し出すと男はおおげさに鼻をかんだ。
「すまんな。春になるとな。くしゃみがでていかんて」
 男は顔をくしゃくしゃにして笑った。思ったより若く見える。40才くらいだろうか。
「ティシュのお礼に教えてやる。このまちは早く離れた方がいい。逃げ遅れんうちにな」
「なにいってるんだよ」
 康平もさすが気を悪くして言った。
「なにも、怒ることはないて。逃げるか。さもなくばお前がやつを退治するか。どっちでもいい」
 男は声を立てずに息だけでひっひっひと笑った。
「退治する?」
 康平は思わず話しに乗った。
「そうよ。このまちは、ヌエにのっとられる。もう、大変なことが起きておるじゃろう。交通事故とかの」
 男の言葉を聞いて、康平は昨日しらみやの寺で聞いたことを思い出した。
「ヌエって、タヌキの化け物みたいなやつか?」
 康平がつめよると男は康平の前に指を1本出してにやりとした。
「おまえも見たのか? 1300年前に利修仙人が封じた魔物を馬鹿な人間どもが蘇らせおったわ」
 男の言葉を聞くとなぜか康平の背中に冷たい汗が落ちて行った。
「あんた。何者なんだよ」
「わしか? わしは、利修仙人と共に戦った鬼だ。ふぇふぇっ」
 男は後ずさって行ったと思うと本棚な間に消えて行った。康平があとを追ってもどこにも姿はなかった。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 22:05│Comments(0)
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