2011年05月11日

友引ツーリングくらぶ(旅立ち)

 康平たちは、たまらない気持ちで家に帰った。3月も終わりに近づいている。康平も梨花も大学から入学案内やら書類やらが届いている。二人は町をかけまわった。時々地震のような気味の悪い揺れが起こって眠ると決まって夢を見た。夢に出てくる血にまみれた男は決まって「大津の皇子」と名乗った。
 梨花の父親と白宮の知り合いの男はキズも治ったが、あちこちでなぞの交通事故が続いていることは刑事の鬼塚に聞かされていた。
 
「ねえ、康平。大津の皇子って、どんな人だったっけ」
 梨花からの電話に出るといきなり切り出してきた。
「壬申の乱に勝利した天武天皇の息子で、天武の次の天皇候補のに一人だったんだよね」
「それでね、天武の死後にクーデター未遂で処刑されるのよね。でもさあ、おかしいと思わない? 次の天皇候補だった人がなんでクーデターなんか起こすわけ?」
「それは、たぶん、ライバルの方が有利になって、このまま行くと自分が天皇になれないばかりか、命まで危ないと思ったんじゃないのかな。父親の天武だって壬申の乱の前は命が危なくなっているし」
 康平が答えると、梨花はちょっと黙ってから声を出した。
「あのねえ。そのライバルだった草壁の皇子の伝説がこの三河の国に、あるんだって」
「分かった。明日、時間とれる? いっしょに調べてみよう」
 康平は言って電話を切った。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 11:20│Comments(0)
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