2011年06月14日

友引ツーリングくらぶ(鏡岩)

 次の日の夕方、講義が終わると康平と藤原は待ち合わせして飛鳥へ向かった。車の中で藤原が口をひらいた。
「三河にも三山があるって言ってたな」
「そうです。鳳来寺山、本宮山、石巻山って言います」
 藤原はハンドルを握りながらときどき康平に目を向ける。
「大和の三山は、香具山、畝傍山、耳成山だ。飛鳥から案外近いんだ。香具山は藤原京のすぐうらだしな」
「そうですか。三河の三山は、全部まわろうとすると、車でも半日かかります」
 康平の答えに藤原は笑った。
「守る範囲が広いんだな」
 藤原が言ったところで、田畑が多くなった。レンタサイクルに乗った人が何人かすぎていく。
「ここが香具山だ」
 藤原は博物館横の駐車場に車を入れた。道しるべに従って二人で畑の間の細い道を登っていく。
「石巻山によくにています」
 少しのぼりになったところで康平が言った。藤原はうなずいた。
 なだらかな坂が続き、三〇分ほどで山頂についた。小さな鳥居があって神社があった。康平はお詣りしてから山の裏手にまわった。
「藤原さん。なんか大きな岩があります」
 康平が大きな声をだした。小型自動車ほどもある岩があった。横向きに丸く削れて、パラボラアンテナみたいに見える。横に古びた立て札があったが、土がついて読みにくい。藤原が来るまで康平は土をはらって読み始めた。
「かがみいわに さわるべからず なんびとも たたられる」
 と書いてあった。
「たたられる?」
 草の中から現れた藤原がうらがえった声を出した。康平は案外冷静だった。
「この岩、石巻山にもにたのがあります。もちろん、たたりませんが、ダイダラボッチの足跡って呼ばれています」
 藤原は康平の顔をじっとみた。
 




Posted by ひらひらヒーラーズ at 08:08│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。