2011年07月30日
海の道12(仮題)
大津の皇子は船団を組んで海に出た。東に向かっていく。瀬戸内の海は、村雄や村国の支配下にある。たくさんの船で移動しても朝廷方に見つかる気遣いは少ない。因幡や常陸からともに来た者たちがそれぞれの船の指揮をとり、手旗のような合図で連絡をとった。
船団が浪速津に近づいた。ここから飛鳥の都は目と鼻の先であるが、はるか沖合からでも大勢の防備の兵が見える。大津の皇子は一度沖合にもどり、後から来る船に沖合に出て互いに離れるように指示した。防備の兵に見つかれば一気に攻撃される。
一隻ずつ十分距離を取った一行は、紀伊半島を南に向かい潮岬から北上した。鬼ヶ城を越えてさらに北に向かう。
瀬戸内を出発してから、4日目にして志摩半島についた。1月前、大津の皇子が海人族の頭領をだまして入れ替わった鳥羽の海が眼前に迫ってくる。頭領の純朴な顔が、その妻の香り姫の顔が、海に突きとした息子のイサミの顔が浮かんで消えた。
「これは、正義の戦なのだ。犠牲は仕方がないのだ」
大津の皇子は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。当時伊勢の海は東の玄関口である。神島を押さえれば海上ルートで東へ向かう者には目を光らせることができる。あとは、陸路で侵入し不破の関(関ヶ原)を封鎖すれば東国からの道は大津の皇子のものになる。その間に各地にいる自分に味方するもの達に連絡を取り都に攻め入ればいい。
大津の皇子は答志島に船を寄せた。地元の男に声をかけ長老に会わせてもらった。
「私は、大津の皇子。これから、国を正そうと思い立ち上がった。瀬戸内の海人族、因幡と常陸の国の農民には声がかけてある。ともに立ち上がらぬか」
大津の皇子は戦略を語った。
「私は、あなたについて行こうと思います。ただ、私の配下の者で神島にいる者達は、あなたに味方しないかも知れません。どうもあなたを恨んでいるようなことを聞きました」
長老はうやうやしく言った。
船団が浪速津に近づいた。ここから飛鳥の都は目と鼻の先であるが、はるか沖合からでも大勢の防備の兵が見える。大津の皇子は一度沖合にもどり、後から来る船に沖合に出て互いに離れるように指示した。防備の兵に見つかれば一気に攻撃される。
一隻ずつ十分距離を取った一行は、紀伊半島を南に向かい潮岬から北上した。鬼ヶ城を越えてさらに北に向かう。
瀬戸内を出発してから、4日目にして志摩半島についた。1月前、大津の皇子が海人族の頭領をだまして入れ替わった鳥羽の海が眼前に迫ってくる。頭領の純朴な顔が、その妻の香り姫の顔が、海に突きとした息子のイサミの顔が浮かんで消えた。
「これは、正義の戦なのだ。犠牲は仕方がないのだ」
大津の皇子は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。当時伊勢の海は東の玄関口である。神島を押さえれば海上ルートで東へ向かう者には目を光らせることができる。あとは、陸路で侵入し不破の関(関ヶ原)を封鎖すれば東国からの道は大津の皇子のものになる。その間に各地にいる自分に味方するもの達に連絡を取り都に攻め入ればいい。
大津の皇子は答志島に船を寄せた。地元の男に声をかけ長老に会わせてもらった。
「私は、大津の皇子。これから、国を正そうと思い立ち上がった。瀬戸内の海人族、因幡と常陸の国の農民には声がかけてある。ともに立ち上がらぬか」
大津の皇子は戦略を語った。
「私は、あなたについて行こうと思います。ただ、私の配下の者で神島にいる者達は、あなたに味方しないかも知れません。どうもあなたを恨んでいるようなことを聞きました」
長老はうやうやしく言った。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 07:04│Comments(0)