2011年08月12日
海の道(仮題)22
麻績の王と分かれて小舟でこぎ出した5人は亀島に上陸した。嶋人達の目に付かないように南側の雑木林に入った。鯛島をながめながら、ひっそりとすごした。
「それにしても、俺たちが争いを起こさせないようにがんばったのに、どうして隠れなくちゃならないんだ」
荒瀬がつぶやいた。夕陽が伊勢湾を越えて山に沈んでいく。
「あの人に会いたい」
香姫が自分の水晶玉と麻績の王にもらった小さい水晶玉を見つめた。都で処刑された夫を思いだしたのだろう。
村国がそっと肩に手を置いた。
「あっ。今、あの人が見えた」
香姫が水晶玉に見入った。何か黒い物が揺れている。
「見えるの? 父さんが」
イサミが横からのぞきこんだ。香姫はうなずいているが目は離さない。
「あのときのままだよ。腰に小刀を差してる」
香姫の言葉にイサミが顔を曇らせた。
「父さんって、刀なんかいつも持ってなかったね」
「着ている物を代えたんだよな。大津の皇子と。そいで顔はそっくりなんだよな」
シロヒトが口をはさんだ。
「でも、私のあの人」
香姫は水晶玉を抱きしめた。シロヒトと荒瀬がヒソヒソ話をした。それから村国とイサミを呼んだ。
「分かった。母さんから目を離さない」
イサミが言った。日が暮れると、木の下に小さな囲いを作った。交代で香姫を見はっていたが夜遅くイサミが眠ってしまった。
目をさますと、香姫がいなかった。海を見にいくと船がなくなっていた。鯛島に向かって小舟が進んで行くのが見えた。
「それにしても、俺たちが争いを起こさせないようにがんばったのに、どうして隠れなくちゃならないんだ」
荒瀬がつぶやいた。夕陽が伊勢湾を越えて山に沈んでいく。
「あの人に会いたい」
香姫が自分の水晶玉と麻績の王にもらった小さい水晶玉を見つめた。都で処刑された夫を思いだしたのだろう。
村国がそっと肩に手を置いた。
「あっ。今、あの人が見えた」
香姫が水晶玉に見入った。何か黒い物が揺れている。
「見えるの? 父さんが」
イサミが横からのぞきこんだ。香姫はうなずいているが目は離さない。
「あのときのままだよ。腰に小刀を差してる」
香姫の言葉にイサミが顔を曇らせた。
「父さんって、刀なんかいつも持ってなかったね」
「着ている物を代えたんだよな。大津の皇子と。そいで顔はそっくりなんだよな」
シロヒトが口をはさんだ。
「でも、私のあの人」
香姫は水晶玉を抱きしめた。シロヒトと荒瀬がヒソヒソ話をした。それから村国とイサミを呼んだ。
「分かった。母さんから目を離さない」
イサミが言った。日が暮れると、木の下に小さな囲いを作った。交代で香姫を見はっていたが夜遅くイサミが眠ってしまった。
目をさますと、香姫がいなかった。海を見にいくと船がなくなっていた。鯛島に向かって小舟が進んで行くのが見えた。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 09:13│Comments(2)
この記事へのコメント
初めまして
なおさんから お噂はいつも伺っております。
また 読ませて頂きますねぇ。
なおさんから お噂はいつも伺っております。
また 読ませて頂きますねぇ。
Posted by こぶたママ ゆーちゃん
at 2011年08月12日 17:25

こぶたママ ゆーちゃんさま
コメントありがとうございます。また、お店もおじゃまします。
コメントありがとうございます。また、お店もおじゃまします。
Posted by siramiya at 2011年08月12日 17:52