2012年02月19日
青い炎を灯せ29
「光明子。聞いてくれ。信楽の山を通って行ったんだが、谷間に風がふいて最高だった」
天皇はすっかり元気になっていた。明江は少し安心した。
「それで、いろいろな人の声は聞けましたか?」
「うん。面白かった。山の中に小さな田んぼがいくつもあってな。そこで取れる米はうまかったぞ。それも去年、山を切り開いて作った田んぼらしい」
天皇は目を輝かせた。
「新しい田を開いたのですね。それはすばらしい。そう言う田が、どんどん増えるといいですね」
明江はあいずちを打った。
「光明子。なにかそういうことを進める案はないだろうか」
天皇はまっすぐに明江を見た。
「どうでしょう。せめて、孫の代くらいまでは、そこから取れた米から租(税)を取らないというのは」
「それいいぞ。みんな喜んで田を作るだろう。明日、朝の会議で話してみるよ」
天皇は明日の朝が待ちきれないと言いながら眠りについた。
ところが、あくる日の朝会議から天皇は浮かぬ顔でもどってきた。いつも通りこっそりと僧形に変身しながら明江に愚痴をこぼした。
「宇合、麻呂、武智麻呂、房前は賛成してくれたのに、左大臣の長屋王だけが反対しおった」
大きな声で言う天皇をなだめながら、明江は長屋王の名を聞いて心が躍るのをふしぎに感じた。
天皇はすっかり元気になっていた。明江は少し安心した。
「それで、いろいろな人の声は聞けましたか?」
「うん。面白かった。山の中に小さな田んぼがいくつもあってな。そこで取れる米はうまかったぞ。それも去年、山を切り開いて作った田んぼらしい」
天皇は目を輝かせた。
「新しい田を開いたのですね。それはすばらしい。そう言う田が、どんどん増えるといいですね」
明江はあいずちを打った。
「光明子。なにかそういうことを進める案はないだろうか」
天皇はまっすぐに明江を見た。
「どうでしょう。せめて、孫の代くらいまでは、そこから取れた米から租(税)を取らないというのは」
「それいいぞ。みんな喜んで田を作るだろう。明日、朝の会議で話してみるよ」
天皇は明日の朝が待ちきれないと言いながら眠りについた。
ところが、あくる日の朝会議から天皇は浮かぬ顔でもどってきた。いつも通りこっそりと僧形に変身しながら明江に愚痴をこぼした。
「宇合、麻呂、武智麻呂、房前は賛成してくれたのに、左大臣の長屋王だけが反対しおった」
大きな声で言う天皇をなだめながら、明江は長屋王の名を聞いて心が躍るのをふしぎに感じた。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 00:53│Comments(0)