2012年02月21日
青い炎を灯せ30
その朝、天皇が朝の会議を終えると清涼殿に宇合がついてもどってきた。
「天子さま。長屋王に気を使うことなどありません。ご決断を」
天皇が玉座につくと、薄布の向こうから宇合がかしこまって言った。明江は昨日言っていた話だと思って聞いていた。山を切り開いて田畑にした場合は孫の代まで租(税)を免除する案に長屋王が反対していると聞いたのを思い出していた。
「それにしても、宇合。光明子を皇后にするというのは」
そんな声が耳に入った。「皇后」明江の頭の中で言葉がぐるぐる回った。意味がよく分からない。明江は近くにいた女官に声をかけ、清涼殿を抜け出した。法華寺の横をとおって長屋王の屋敷に向かった。門番にあいさつして入ると、池のほとりに長屋王が一人でいた。明江を見つけると微笑んで近づいてきた。
「光明子さま。いろいろとたいへんですね」
長屋王は頭を軽くさげた。
「長屋王。あなたはなんでも、反対するの?」
明江ははっきりと聞いた。
「私は、国のため、民のためにならぬことには反対しますが、それ以外は」
長屋王はそこまでいって、ゆったりと微笑んだ。
「昨日、天子さまが言った。開いた農地から租をとらないというのは、民のためにならないの」
明江は長屋王につめよった。長屋王は明江を見てうなずいた。
「今、この国の民は弱っています。与えられた田を耕すことができないでいます。開墾を奨励すれば力のある豪族たちはより民を使役して私腹をこやすでしょう」
長屋王は顔をうつむけて池のまわりを歩き出した。
「天子さま。長屋王に気を使うことなどありません。ご決断を」
天皇が玉座につくと、薄布の向こうから宇合がかしこまって言った。明江は昨日言っていた話だと思って聞いていた。山を切り開いて田畑にした場合は孫の代まで租(税)を免除する案に長屋王が反対していると聞いたのを思い出していた。
「それにしても、宇合。光明子を皇后にするというのは」
そんな声が耳に入った。「皇后」明江の頭の中で言葉がぐるぐる回った。意味がよく分からない。明江は近くにいた女官に声をかけ、清涼殿を抜け出した。法華寺の横をとおって長屋王の屋敷に向かった。門番にあいさつして入ると、池のほとりに長屋王が一人でいた。明江を見つけると微笑んで近づいてきた。
「光明子さま。いろいろとたいへんですね」
長屋王は頭を軽くさげた。
「長屋王。あなたはなんでも、反対するの?」
明江ははっきりと聞いた。
「私は、国のため、民のためにならぬことには反対しますが、それ以外は」
長屋王はそこまでいって、ゆったりと微笑んだ。
「昨日、天子さまが言った。開いた農地から租をとらないというのは、民のためにならないの」
明江は長屋王につめよった。長屋王は明江を見てうなずいた。
「今、この国の民は弱っています。与えられた田を耕すことができないでいます。開墾を奨励すれば力のある豪族たちはより民を使役して私腹をこやすでしょう」
長屋王は顔をうつむけて池のまわりを歩き出した。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 10:55│Comments(0)