2012年05月01日
青い炎を灯せ65
天皇はしばらく明江のもとにいたが、しぶしぶ輿にのり信楽へ帰っていった。
明江は近くにいた女官に輿を用意してもらい長屋王の邸に向かった。歩いても一五分ほどの距離である。ほんとは景色でもながめながら一人で行きたいところだったが、お腹に子どもが出来てからまわりが気を使って輿でなければ出かけさせてくれない。
「これは皇后様。先ほどまで天子様がいらしていたとうかがいましたが」
長屋王は片腕を胸の前で曲げて頭をさげた。
「長屋王。天子さまからもお聞きしましたが、行基とかいうお坊さん活躍されているそうですね」
明江はじっと長屋王を見た。長屋王は表情をくずさず、視線もそらさない。ゆっくりと口を開いた。
「行基の仲間になっていた者たちを連れてきました。何度も聞くのですが、行基のことは話そうとしません」
そこまで言って、長屋王は明江の目をじっと見た。鋭い目線がつきささる。
「皇后様。なにかご存じなのですね」
長屋王は一歩間合いをつめた。明江がたじろいで下がる。
「私はなにも知りません。行基の仲間たちに会わせてはくれませんか」
明江はやっとそれだけ言えた。長屋王は一度目をとじてからうなずいたが、面会には長屋王が立ち会うと言う。明江はだまってうなずいた。
男たちは、離れ邸にいた。見張りの者はいたが閉じこめられている風でもない。本人たちに聞いてもひどい目にあわされているようではなかった。むしろうまい物を食べさせてもらい、賓客として扱われいるようだった。ただ行基についてなにも知らないとくり返した。長屋王もそれは信じているようだった。
明江は安心して清涼殿にかえった。
明江は近くにいた女官に輿を用意してもらい長屋王の邸に向かった。歩いても一五分ほどの距離である。ほんとは景色でもながめながら一人で行きたいところだったが、お腹に子どもが出来てからまわりが気を使って輿でなければ出かけさせてくれない。
「これは皇后様。先ほどまで天子様がいらしていたとうかがいましたが」
長屋王は片腕を胸の前で曲げて頭をさげた。
「長屋王。天子さまからもお聞きしましたが、行基とかいうお坊さん活躍されているそうですね」
明江はじっと長屋王を見た。長屋王は表情をくずさず、視線もそらさない。ゆっくりと口を開いた。
「行基の仲間になっていた者たちを連れてきました。何度も聞くのですが、行基のことは話そうとしません」
そこまで言って、長屋王は明江の目をじっと見た。鋭い目線がつきささる。
「皇后様。なにかご存じなのですね」
長屋王は一歩間合いをつめた。明江がたじろいで下がる。
「私はなにも知りません。行基の仲間たちに会わせてはくれませんか」
明江はやっとそれだけ言えた。長屋王は一度目をとじてからうなずいたが、面会には長屋王が立ち会うと言う。明江はだまってうなずいた。
男たちは、離れ邸にいた。見張りの者はいたが閉じこめられている風でもない。本人たちに聞いてもひどい目にあわされているようではなかった。むしろうまい物を食べさせてもらい、賓客として扱われいるようだった。ただ行基についてなにも知らないとくり返した。長屋王もそれは信じているようだった。
明江は安心して清涼殿にかえった。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 08:39│Comments(0)