2012年10月16日
み~んな化け物5
「吸血鬼って、あの血を吸うやつか? 女の人の首筋にかみついて、にや~っと笑って・・・」
勇一は言ってから、座ったままで後ずさりした。
「なんで、おまえが逃げるんだよ。おまえ「カラス天狗」なんだろ。それに正夫が幽霊だって分かったって、びっくりしなかったじゃないか」
ぼくはちょっとむかついた。
「だけど、和夫。それはぜんぜん違うぞ。ぼくがカラス天狗だからって、正夫が幽霊だからって誰も困らせないけど、「吸血鬼」は怖いよ。血を吸われた人が吸血鬼になっちゃうんだろ?」
「まあ、ぼくの場合は咬まれそうになったら消えちゃえばいいけど、勇一は空飛んで逃げるにしても、部屋の中だと逃げ切れないものな」
正夫はあいかわらずじじくさく落ち着いている。
「二人ともいいかげんにしてくれよ。ぼくは確かに吸血鬼だけど、これまでおまえらの血を吸ったことなんかないじゃないか。それにな、吸血鬼に血を吸われたら吸血鬼になるなんていうのは、映画の中の話だぞ」
ぼくは、ちょっと荒っぽい声を出した。そうしている間にも、前歯から右左四本目の糸切り歯が伸びてきてくちびるからはみだしてきた。勇一は壁際まで後ずさってブルブル震えている。
「それになあ。血を吸われるのは健康にいいんだぞ」
ぼくが言っても二人は納得しない。しかたなく続けた。
「今、健康に一番必要な物、それはきれいな血液なんだよ。血液がよごれてくると、体が疲れやすくなって、体中によごれがたまってしまうんだ。体の中ではどんどん新しい血液をつくっているんだけど、古い汚れた血がたまっていって上手に入れ替わらないんだ」 「もしかして、汚れた血をおまえが吸って、きれいな血液をとりもどすってこと」
勇一は首をかしげながら、両方の羽で自分の首筋をなでている。
「そういうこと。ぼくんちなんか、毎週土曜日の夕方は、みんなで血を吸いあっているぞ。その時ちょっとは力がは入らなくなるけど、すぐきれいな血が出来て元気になるんだ」
ぼくがそこまで言って、顔を近づけると勇一は羽をバタバタして逃げ回った。狭い部屋の中で大きな羽根をバタバタするから、カラーボックスやクーラーの上からほこりが立って、ケムリみたいに舞った。
勇一は言ってから、座ったままで後ずさりした。
「なんで、おまえが逃げるんだよ。おまえ「カラス天狗」なんだろ。それに正夫が幽霊だって分かったって、びっくりしなかったじゃないか」
ぼくはちょっとむかついた。
「だけど、和夫。それはぜんぜん違うぞ。ぼくがカラス天狗だからって、正夫が幽霊だからって誰も困らせないけど、「吸血鬼」は怖いよ。血を吸われた人が吸血鬼になっちゃうんだろ?」
「まあ、ぼくの場合は咬まれそうになったら消えちゃえばいいけど、勇一は空飛んで逃げるにしても、部屋の中だと逃げ切れないものな」
正夫はあいかわらずじじくさく落ち着いている。
「二人ともいいかげんにしてくれよ。ぼくは確かに吸血鬼だけど、これまでおまえらの血を吸ったことなんかないじゃないか。それにな、吸血鬼に血を吸われたら吸血鬼になるなんていうのは、映画の中の話だぞ」
ぼくは、ちょっと荒っぽい声を出した。そうしている間にも、前歯から右左四本目の糸切り歯が伸びてきてくちびるからはみだしてきた。勇一は壁際まで後ずさってブルブル震えている。
「それになあ。血を吸われるのは健康にいいんだぞ」
ぼくが言っても二人は納得しない。しかたなく続けた。
「今、健康に一番必要な物、それはきれいな血液なんだよ。血液がよごれてくると、体が疲れやすくなって、体中によごれがたまってしまうんだ。体の中ではどんどん新しい血液をつくっているんだけど、古い汚れた血がたまっていって上手に入れ替わらないんだ」 「もしかして、汚れた血をおまえが吸って、きれいな血液をとりもどすってこと」
勇一は首をかしげながら、両方の羽で自分の首筋をなでている。
「そういうこと。ぼくんちなんか、毎週土曜日の夕方は、みんなで血を吸いあっているぞ。その時ちょっとは力がは入らなくなるけど、すぐきれいな血が出来て元気になるんだ」
ぼくがそこまで言って、顔を近づけると勇一は羽をバタバタして逃げ回った。狭い部屋の中で大きな羽根をバタバタするから、カラーボックスやクーラーの上からほこりが立って、ケムリみたいに舞った。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 08:15│Comments(0)