2012年10月17日
み~んな化け物6
「おい、和夫。掃除してないな。汚いぞ」
勇一は笑いながら逃げていく。テレビの上のビデオテープがガラガラ落ちた。壁に貼ってあったポスターがはがれかけて、おじぎしているみたいだ。
正夫は部屋のすみの方で半分透きとおりながら、ぼくたちを見て大声で笑っている。ぼくは勇一だけを追いかけているようにフェイントかけておいて、正夫の腕をつかんで飛びかかって行った。正夫はぼくをみて二.三度瞬きしてからニヤ~と笑って姿を消した。ぼくは勢いあまって机にぶつかった。筆入れと鉛筆削りを飛ばして、机に抱きつくような感じになった所へ、勇一が舞い降りてきて後ろから頭をつついてきた。ぼくは振り向きざまに自慢の牙で血を吸ってやろうとしたら、ちょうどそこにあったのは勇一のクチバシだった。
「あっはっはは。はあ。ぼくも長いこと幽霊やってるけど、男どうしのキスははじめて見たよ。それも吸血鬼とカラス天狗のキスなんて、テレビでも見たことないや」
姿の見えない正夫の笑い声が部屋にひびいた。そしてフワリと目の前に現れた。正夫に食いついてやろうとしたら、インターホンがなった。
「信二が来たみたいだ」
正夫が言った。幽霊のくせにはあはあ肩で息をしている。勇一の羽根はだいぶ傷んだようだ。ぼくだって、壁や柱に体をぶつけたのと、勇一のクチバシにかみついたせいで、自慢の牙は上二本の先がおれてしまった。
「信二、驚くよな」
そう言ったのはカラス天狗の勇一だった。
「カラス天狗と幽霊と吸血鬼だもんな」
ぼくと正夫がそろって言った。
「でも、まあいい機会じゃないか。信二だって最初はびっくりするだろうけど、きっといい思い出になるぜ」
ぼくは、折れた牙の先を指先でなでながら言った。
勇一は笑いながら逃げていく。テレビの上のビデオテープがガラガラ落ちた。壁に貼ってあったポスターがはがれかけて、おじぎしているみたいだ。
正夫は部屋のすみの方で半分透きとおりながら、ぼくたちを見て大声で笑っている。ぼくは勇一だけを追いかけているようにフェイントかけておいて、正夫の腕をつかんで飛びかかって行った。正夫はぼくをみて二.三度瞬きしてからニヤ~と笑って姿を消した。ぼくは勢いあまって机にぶつかった。筆入れと鉛筆削りを飛ばして、机に抱きつくような感じになった所へ、勇一が舞い降りてきて後ろから頭をつついてきた。ぼくは振り向きざまに自慢の牙で血を吸ってやろうとしたら、ちょうどそこにあったのは勇一のクチバシだった。
「あっはっはは。はあ。ぼくも長いこと幽霊やってるけど、男どうしのキスははじめて見たよ。それも吸血鬼とカラス天狗のキスなんて、テレビでも見たことないや」
姿の見えない正夫の笑い声が部屋にひびいた。そしてフワリと目の前に現れた。正夫に食いついてやろうとしたら、インターホンがなった。
「信二が来たみたいだ」
正夫が言った。幽霊のくせにはあはあ肩で息をしている。勇一の羽根はだいぶ傷んだようだ。ぼくだって、壁や柱に体をぶつけたのと、勇一のクチバシにかみついたせいで、自慢の牙は上二本の先がおれてしまった。
「信二、驚くよな」
そう言ったのはカラス天狗の勇一だった。
「カラス天狗と幽霊と吸血鬼だもんな」
ぼくと正夫がそろって言った。
「でも、まあいい機会じゃないか。信二だって最初はびっくりするだろうけど、きっといい思い出になるぜ」
ぼくは、折れた牙の先を指先でなでながら言った。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 16:07│Comments(0)