2012年10月18日

み~んな化け物7

「やっぱり、この中で一番人間に近いのは正夫だよな」
 勇一が言って、ぼくと勇一は本棚のカゲにかくれることにした。
「あれっ、正夫一人? 勇一と和夫は」
 信二の声がして、正夫が適当にごまかしている声を聞きながら、ぼくたちは必死に笑いをこらえていた。このまま、カラス天狗と吸血鬼が目の前に現れたら、信二のやつどんな顔をするだろう。もしかしたら座り込んでしまって、オシッコでももらすかも知れない。頭の中で勝手に想像していると、おかしくて吹き出しそうで、息をするのも気が抜けない。吸う息はいいんだけど、吐き出すとき大声を出しそうだった。どんどん顔が熱くなってくる。勇一の顔は真っ赤だった。たぶん、勇一から見たらぼくも真っ赤だっただろう。
 我慢できずに笑ってしまったのは、ぼくたちより正夫が先だった。
「く~わっははひっひ。もうだめだ。勇一。和夫出てこいよ。もう我慢できないよ」
 二人して、顔をかくしながら前にでると、信二の顔が見る見る青くなっていく。目は大きく見開いて、ぼくたちのどちらとも言えない空中をにらんだままだった。ぎゅっと結んだ唇はプルプル震えている。
「信二。落ち着けよ。今まで黙っていたのはぼくたちが悪かったけど、言い出せなかっただけなんだよ」
ぼくはあわてて早口になった。
「ばけものでもさあ、信二。おまえの友達であることに変わりはないんだよ」
勇一が言った。
「まさか、信二まで『宇宙人だ』とか言い出すんじゃないだろうね」
正夫もちょっとあわてた感じだった。ところが、泣き出すかと思った信二の目がギラっと光った。そしてゆっくりと口を開いた。
「ふふっふ。おまえたちなにをカンチガイしてるんだよ。ぼくが泣き出すとでも思ったかい。そんな心配はいらないと思うけどなあ。いや、泣き出すのはおまえたちの方じゃないのかな? おとなしくしろ。バケモノども。妖怪法違反で現行犯逮捕する。妖怪ハンターだ」



Posted by ひらひらヒーラーズ at 08:07│Comments(0)
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