2012年10月19日
み~んな化け物7
信二は茶色の手帳を見せながらぼくたちに近づいてきた。最初に正夫の手首に手錠をかけたけど、すぐに体が透きとおって行って手錠だけががちゃりと落ちた。勇一はつかまりそうになると、大きな羽根を広げてバシバシと叩いてクチバシでつついた。信二は顔から血を流して勇一を放した。
ぼくは部屋の中を走り回って逃げたけど、すぐに信二に追いつめられた。
信二がぼくの腕をつかんで手錠をしようとする。ぼくはここぞとばかりに牙をむいて、信二の首にかみつこうとしたけど、牙は先がおれているから、首に刺さるどころかつめでひっかいたくらいにもならない。信二は信二でいつもと同じやつとは思えないほど強い力で、ぼくの腕をぬじあげる。
ぼくはあっさりと手錠をはめられ、そこについたヒモをドアノブにゆわえられてしまった。勇一はタンスの上に止まって、いつでも飛び立てるように羽根を少し広げながら信二をじっとにらんでいる。
正夫は部屋のあちこちに現れたり消えたりをくりかえしていた。
「勇一。正夫。おとなしく逮捕されるんだ。おまえたちの態度によっては、和夫をひどい目にあわせなければならない。今日まで友達のふりをして、おまえたち三人の動きをさぐって来たが、なんだか半分はホントの友達のような気がしているんだ。あまり、和夫に痛い思いをさせたくないんだ」
信二に言われて、正夫がはっきりと姿を現した。ぼくと信二の間にたって両手をさしだした。
「おお、やっぱり、バケモノ同士の友情はかたいねえ。でも正夫の場合、手錠をかけたってフワリと消えられたら終わりだから、ここに入っててもらおうか」
信二は二リットルサイズのペットボトルを手に取った。なんだか黒い字で漢字がいっぱい書いてある。
「ここに書いてあるのは幽霊ふうじのお経だ。幽霊はこの中では逃げるどころか動くこともできないはずだ」
信二は意地悪くわらいながら、ペットボトルをさしだす。正夫は一度半分くらい透きとおってから、細長くなって自分からボトルに入っていった。信二はしっかりとフタをしめた。
ぼくは部屋の中を走り回って逃げたけど、すぐに信二に追いつめられた。
信二がぼくの腕をつかんで手錠をしようとする。ぼくはここぞとばかりに牙をむいて、信二の首にかみつこうとしたけど、牙は先がおれているから、首に刺さるどころかつめでひっかいたくらいにもならない。信二は信二でいつもと同じやつとは思えないほど強い力で、ぼくの腕をぬじあげる。
ぼくはあっさりと手錠をはめられ、そこについたヒモをドアノブにゆわえられてしまった。勇一はタンスの上に止まって、いつでも飛び立てるように羽根を少し広げながら信二をじっとにらんでいる。
正夫は部屋のあちこちに現れたり消えたりをくりかえしていた。
「勇一。正夫。おとなしく逮捕されるんだ。おまえたちの態度によっては、和夫をひどい目にあわせなければならない。今日まで友達のふりをして、おまえたち三人の動きをさぐって来たが、なんだか半分はホントの友達のような気がしているんだ。あまり、和夫に痛い思いをさせたくないんだ」
信二に言われて、正夫がはっきりと姿を現した。ぼくと信二の間にたって両手をさしだした。
「おお、やっぱり、バケモノ同士の友情はかたいねえ。でも正夫の場合、手錠をかけたってフワリと消えられたら終わりだから、ここに入っててもらおうか」
信二は二リットルサイズのペットボトルを手に取った。なんだか黒い字で漢字がいっぱい書いてある。
「ここに書いてあるのは幽霊ふうじのお経だ。幽霊はこの中では逃げるどころか動くこともできないはずだ」
信二は意地悪くわらいながら、ペットボトルをさしだす。正夫は一度半分くらい透きとおってから、細長くなって自分からボトルに入っていった。信二はしっかりとフタをしめた。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 09:35│Comments(0)
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