2012年10月24日
み~んな化け物11
「うわ~。どうなっているんだ」
信二の手錠はまっさきに外れた。ぼくたち三人は風といっしょにトイレの壁も家の壁もつきやぶって、空へ舞い上がっていった。先に正夫の閉じこめられたペットボトルが落ちていった。地上を歩く人が小さな虫くらいに見えるころになって、ぼくの手首のロープが解けた。まっさかさまに地面に向かって落ちていく。
上も下も分からないなか、どこかから勇一の声が聞こえてきた。そして、首のうしろをつかまれた。これで落ちていくことはなさそうだ。
「おい。和夫。だいじょうぶか。だいぶ派手に暴れているようだな。信二のやつ」
「勇一なのか? いったい、これどうなっているんだ」
ぼくは、わけも分からずに暗闇に向かってさけんだ。すると、頭の後ろでバサバサばさ~っと、大きな鳥の羽ばたきのような音がして、強い風がふいたと思うと、真っ赤な顔で鼻のなが~いやつが姿を現した。鼻というより折り畳み傘ほどもある大きな棒みたいな感じ。目はつり上がって、顔中てかてか光っている。
「和夫。そうビクビクするな。おれだよ。勇一だ」
その声は確かに勇一だった。ぼくがなにも言えないでいると、勇一が続けた。
「すまんがな、おまえの家のトイレで脱皮させてもらった。短い間にサナギになって、成虫の天狗になるのは骨が折れたがな。まあ、なんとかなったわ」
天狗になった勇一は、いつのまにか黒い剣道着みたいのに衣装がえしていた。胸の前で腕を組んで、さっきより羽根も一回り大きくなったようだった。
「じゃあ、信二を吹き飛ばしたのは勇一、おまえだったのか」
「そうさ。これでな」
勇一の手には、モミジの葉の親分みたいなウチワがあった。
「これは、羽ウチワといって、天狗の持ち物では有名な方だな」
そう言って、モミジの親分みたいなウチワを二.三回ふったら、はるか遠くに見える地上で、砂煙が立つのが見えた。
「うわ~。すごいなあ」
ぼくが言った。
信二の手錠はまっさきに外れた。ぼくたち三人は風といっしょにトイレの壁も家の壁もつきやぶって、空へ舞い上がっていった。先に正夫の閉じこめられたペットボトルが落ちていった。地上を歩く人が小さな虫くらいに見えるころになって、ぼくの手首のロープが解けた。まっさかさまに地面に向かって落ちていく。
上も下も分からないなか、どこかから勇一の声が聞こえてきた。そして、首のうしろをつかまれた。これで落ちていくことはなさそうだ。
「おい。和夫。だいじょうぶか。だいぶ派手に暴れているようだな。信二のやつ」
「勇一なのか? いったい、これどうなっているんだ」
ぼくは、わけも分からずに暗闇に向かってさけんだ。すると、頭の後ろでバサバサばさ~っと、大きな鳥の羽ばたきのような音がして、強い風がふいたと思うと、真っ赤な顔で鼻のなが~いやつが姿を現した。鼻というより折り畳み傘ほどもある大きな棒みたいな感じ。目はつり上がって、顔中てかてか光っている。
「和夫。そうビクビクするな。おれだよ。勇一だ」
その声は確かに勇一だった。ぼくがなにも言えないでいると、勇一が続けた。
「すまんがな、おまえの家のトイレで脱皮させてもらった。短い間にサナギになって、成虫の天狗になるのは骨が折れたがな。まあ、なんとかなったわ」
天狗になった勇一は、いつのまにか黒い剣道着みたいのに衣装がえしていた。胸の前で腕を組んで、さっきより羽根も一回り大きくなったようだった。
「じゃあ、信二を吹き飛ばしたのは勇一、おまえだったのか」
「そうさ。これでな」
勇一の手には、モミジの葉の親分みたいなウチワがあった。
「これは、羽ウチワといって、天狗の持ち物では有名な方だな」
そう言って、モミジの親分みたいなウチワを二.三回ふったら、はるか遠くに見える地上で、砂煙が立つのが見えた。
「うわ~。すごいなあ」
ぼくが言った。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 07:56│Comments(0)