2012年11月04日

み~んな化け物16

みんながそろった教室には、信二の姿はなかった。担任は信二が風邪で休むと連絡があったことを伝えて、当たり前に授業がはじまった。そして、なにごともなく一日が終わった。
「なあ。妖怪のおれたちが言うのも変だけどさあ。この前の信二どう思う? やっぱりあいつも妖怪なのかなあ」
 授業が終わって人気のなくなった校庭で勇一が言った。
「あいつの顔が空にでっかく映ったよなあ。すっげえでかい声がひびいたよなあ。確かにびくりしたけど、でもさあ、なんていうか背筋がぞっとするような感じなかったよなあ」
 ぼくのことばに、正夫は腕を組んで目を半分閉じている。
「信二って、風紀委員だからさあ、学校見回りとかで授業後、いろんな部屋に入れるんだよな」
 正夫がぽつりと言った。
「なんか、どこかで見たような気がしたなあ。そうだ。おい。正夫。頼みがある。おまえ幽霊なんだから、鍵がなくても部屋に入れるよな。ちょっと視聴覚室へ行ってみてくれないか。プロジェクターとポータブルアンプがなくなってないか見てきてくれ」
 勇一がにやりと笑いながら言った。正夫はすーっと姿を消して二.三分して現れた。
「勇一が考えたとおりだ。アンプもプロジェクターもなかった。たぶん、信二だ。あいつが映像を空に映して、こわい声も出したんだ。やっぱりあいつ妖怪じゃないよ」
 正夫が言った。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 02:19│Comments(0)
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