2012年12月24日

ひらひら村の夕陽25

 母親は女を座らせた。
「この前は、せっかくいらしたのに、失礼な言い方をしてすみませんでした。私もなんだか後味が悪くて、気になっていました
 若い女は目を大きくして母親を見ている。母親には裕子と女は初対面ということになっている。裕子は一度女を見てからゆっくり口を開いた。
「始めまして、松村裕子と申します。こちらのお母様と知り合いなので、ちょっと相談を受けまして今日はお邪魔してしまいました。私のことは気にされずにお話してください」
 裕子が頭を下げると、女はうなずいた。そこでちょっと気まずい沈黙がはじまった。
「なかなか素敵なお嬢さんじゃない。息子さん見る目があるわ」
 裕子が口火を切った。女がうれしそうに笑う。母親はとまどったように裕子を見た。何か言ってほしそうだった。
「私ねえ、カードの占いをするんです。不思議に当たるんですよ。1枚引いてみますか?」
 裕子は言いながら、カードを取り出し若い二人に1枚ずつ引かせた。女は雨のカード、男はクジラを引いた。目を閉じて考え込む裕子を母親が見つめる。
 裕子は目を開けて男を見た。
「あなたは、ほんとにまっすぐで、幸せに向かって進んでいく人です。どんな困難にも負けないでしょう」
 裕子が言うと、青年は照れた風で微笑んだ。続いて女を見た。
「あなたは、世の中の汚れを落としていく人です。困った古いものを壊していってください」
 女はにっこり笑ってうなずいた。母親はいよいよ困った顔で裕子を見た。期待はずれなことを言い出したからだろうと裕子も思った。ところが、母親は息子の彼女をじっと見た。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 23:01│Comments(0)
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