2013年01月16日
ひらひら村の夕陽29
「じゃあ、どんなのがいいかな」
母親が独り言を言った。裕子はちょっと考えてから口を開く。
「ねえ、まず男から選ばない?」
裕子はいたずらっぽい目をした。母親はとまどったように裕子を見た。裕子はゆっくりうないずいた。
「あのねえ、これから店を探しましょう。商品じゃなくて、店員さん、それも男の人が好みのタイプのところを探すの」
裕子は母親の返事も聞かずに腕を引っ張った。母親は困った顔でついていく。平日のショッピングモールは人が多すぎるわけでもない。コンコースからのぞきながら店員を品定めするにはちょうどいい。
「ねえ、あなたって、好みのタイプは年上? 年下?」
裕子は店をのぞきこみながら、話しかける。母親はちょっと考えてから言葉を出した。
「私は、少し上の方がいいかな。やっぱり安心したいな」
母親の言葉に裕子は笑ってうなずいた。そして、何件か先の店に入った。
「ここ、紳士服の店じゃない」
母親は戸惑った声を出す。裕子は母親の肩に手を置いて、人差し指を自分の口にあてた。母親は小さくうなずいた。
「いらっしゃいませ。口ひげをはやした初老の店員がにこやかに頭を下げた。すかさず裕子が前に出る。
母親が独り言を言った。裕子はちょっと考えてから口を開く。
「ねえ、まず男から選ばない?」
裕子はいたずらっぽい目をした。母親はとまどったように裕子を見た。裕子はゆっくりうないずいた。
「あのねえ、これから店を探しましょう。商品じゃなくて、店員さん、それも男の人が好みのタイプのところを探すの」
裕子は母親の返事も聞かずに腕を引っ張った。母親は困った顔でついていく。平日のショッピングモールは人が多すぎるわけでもない。コンコースからのぞきながら店員を品定めするにはちょうどいい。
「ねえ、あなたって、好みのタイプは年上? 年下?」
裕子は店をのぞきこみながら、話しかける。母親はちょっと考えてから言葉を出した。
「私は、少し上の方がいいかな。やっぱり安心したいな」
母親の言葉に裕子は笑ってうなずいた。そして、何件か先の店に入った。
「ここ、紳士服の店じゃない」
母親は戸惑った声を出す。裕子は母親の肩に手を置いて、人差し指を自分の口にあてた。母親は小さくうなずいた。
「いらっしゃいませ。口ひげをはやした初老の店員がにこやかに頭を下げた。すかさず裕子が前に出る。
Posted by ひらひらヒーラーズ at 09:57│Comments(0)
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