2013年02月05日

ひらひら村の夕陽34

「素敵ですよ。それにぼくより、そんなに上じゃないでしょ」
 店員は笑って、裕子を見た。
「あのう。私さっき、息子の靴を買いに来たっていいましたけど、あれ、うそなんです」
 裕子は店員をじっと見た。店員はゆったりと笑った。
「そんなの分かりますよ。一応、販売のプロですから」
 裕子は安心してへたりこんだ。店員はあわてて肩に手をおいた。
「そんなうそつかずに、自分のままでいたらいいじゃないですか。素敵ですよ」
 店員は裕子の助けおこして微笑んだ。裕子は視線をはずせない。
「また、今度、遊びにいきませんか」
 店員は頭をさげて去っていった。
「いい男だったねえ。裕子さん、見る目があるよ」
 母親は裕子の肩を抱いた。裕子も腕に力を入れた。
「あなたも、素敵な人を見つけたじゃない」
 裕子の言葉に母親もうなずいた。
「私たち、まだまだいけるよ。素敵に楽しめる」
 二人そろって言った。ショッピングモールの向こうに夕日が落ちていった。




Posted by ひらひらヒーラーズ at 09:49│Comments(0)
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