2011年02月03日

万葉集の話5

 利修仙人も3匹の鬼も、草砥鹿姫も三河の国の守り神となって時代は下る。
 草砥鹿姫の眠る三明寺には平安朝の国司、大江定元が弁財天を奉納した。モデルになったのは若くしてなくなった妻、力寿姫。その美しい姿は草砥鹿姫に似ていた。この力寿姫、実は草砥鹿姫が生まれ変わったのであるが、それを知っているものはいない。
 時はすぎて鎌倉に幕府が出来ると、むさ苦しい男たちは東をめざす。姫街道は鎌倉街道と名前をかえた。
 幕府に味方しない三明寺に男たちは火を放った。メラメラと上がっていく炎。いよいよ弁財天に火がかかろうとしたその時、弁財天は立ち上がった。
「おまえたちのような、力にのみ頼るものに、私を焼く力なぞないわ」
 弁財天は炎の中で舞い踊りながら高らかに笑った。天女のように宙もまいながらビワをひくと兵たちはその場に座りこんだ。空は急に曇り大粒の雨が落ちだした。地面からはあそこからここから水が湧き出した。見る見る間に火は消え、弁才天はなにごともなかったように木の象にもどった。
 草砥鹿姫が乗り移った弁財天が予言した通り、鎌倉幕府は力をなくし後醍醐天皇により倒された。その後通りかかった天皇の皇子、無文禅師により三明寺は再興された。
 そのあと、南北朝の騒乱でまた世の中は荒れたが三明寺に手をかける者はいなかったという。  


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2011年02月03日

落語ダイエット?

 もしよかったら落語やって見ませんか? 落語は見ている簡単そうに見えてじつは簡単です。日常会話程度の日本語ができれば出来ます。
 お腹から声を出すので健康にいいし、しゃべっている間は物を食べられないのでダイエットになります。
 また、人前でやると冷や汗はかくし、うけなければ身を削る思いがするのでこれもダイエットになります。
 まず座布団に座って、背筋をのばしましょう。左の方を向いて「こんちわ」と叫びましょう。恥ずかしがっては負けです。今度は右を向いて「ああ、いらっしゃい。まあ上がっとくれ」。
 これで完成です。ねっ簡単でしょ。あとはネタを仕入れます。子どもさんが小学生の場合は3年生の国語の教科書に「寿限無」がのっていますし、図書館でも落語絵本がたくさんあります。憶えるのは大変でも、話の流れだけ頭に入れてあとは適当に会話に進めて行きましょう。
 もう、あなたはアマチュア落語の真打です。メールいただければ出演先紹介しますよ(笑)。ただし、ギャラは出ません。あしからず…  

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2011年02月03日

万葉集の話4

 一方の草砥鹿姫、黒人を思う気持ちが強く食事ものどを通らない。日に日にやせていく。
 そんなある日、利修仙人の夢を見る。都で黒人が病にふせっているという。
 なんとか自分を都へつれて行ってほしいと頼むが、利仙人も鬼ももうこの世の者ではない。
 それでも「せめてひと目会いたい」という姫に、夢の中の利修仙人が青い石を渡す。
「これで、豊川を竜にかえて都まで飛ぶがいい」
 夢から覚めた姫の手には夢で見た石があった。姫は一人本宮山に登り豊川に向けて青い石をかざす。豊川は下流が竜の頭、今の長篠のあたりが尻尾の大きな竜になり草砥鹿姫を乗せて大空へと舞い上がった。

 都へ着くと、黒人も草砥鹿姫への思いが強くあまりの切なさに寝込んでいたという。草砥鹿姫は黒人とともに2年をすごす。やがて天皇が崩御し、黒人も病でなくなった。

 傷心の草砥鹿姫は、風の噂に、三河の国が飢饉で苦しんでいると聞く。豊川を竜として連れてきてしまったため、水不足が原因らしい。
「自分の恋のために、人々を苦しめてしまった。自分は神をまつる巫女であるのに、人々を苦しめ神にもそむいてしまった。この上は国にもどって国を守ることに命をささげよう」
 そう誓った姫は三河の国にもどって竜を川にもどして懐かしい二見の道のあたりでくらし静かに一生終えた。今の三明寺のあたり1300年前の話である。  


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